With a smile
あの人は色んなテーブルを回って、最後に私達のテーブルへ来た。

「建都くん、お疲れー」

高島さんが声を掛けた。

「お疲れ」

やっぱり笑顔で言った。

あの人が、すぐそこにいる。

「やったじゃん」

「ありがと。たまたまだけどね」

あの人がしゃべってる。

私はドキドキよりも興奮の方が大きかった。

好きな人、というより、好きな芸能人とかテーマパークで着ぐるみのキャラクターに会ったみたいな驚き。

どこか現実感が無くて頭がぼーっとしてて、でも、目と耳は全力であの人を捕らえた。

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