With a smile
私はずっと一途に建都さんの事を好きだった訳ではない。

短大生の2年間に2つの恋が始まって、終わった。

もちろん、つきあってた時はその人の事が好きだったし、真剣だった。

でも、朝起きて青空が広がっていた時、学食でランチを食べている時、お風呂上りに髪を乾かしている時、そんなありふれた日常の中で、不意に建都さんの笑顔が浮かんだ。

その笑顔は、いつも優しく私に笑いかける。

私の心のどこか奥の方にいて、何かの拍子にフッと現れまた元の場所へと戻っていく、そんな不思議な存在。

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