With a smile
その後建都さんと話をする事はなく、歓迎会は終わった。

家に帰ってからも変に夢見心地で、ふわふわした体を持て余した。

明日から本格的に仕事が始まると言うのに、今夜はとても眠れそうにない。

五十嵐建都、あの人で頭がいっぱいだ。

顔、声、話の内容に合わせてクルクル変わる表情、私の事をリップサービスかもしれないが、いい笑顔って言ってくれた。

まだ慣れない人達の中で、私が笑顔でいられたのは建都さんがいたからだ。

愛想笑いでも作り笑いでも何でもなく、本当に嬉しくて自然に出る笑顔。

今も一人自分の部屋でニヤニヤしてしまう。

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