With a smile
どうも、跳ねた紙くずが頬に当たったらしい。

「すみません・・・」

ただの紙がそんなに痛いはずないのに、角が当たったか?思いながら駆け寄った。

その金髪の子は足元に落ちた紙くずを拾い上げて私に差し出した。

「はい」

ゴミなんだから捨ててくれればいいのに、受け取りながら頭を下げた。

「すみませんでした」

「いいよ。今日は雪が降ったから」

え?

意味が分からなくて頭を上げると、そこに、笑顔があった。


一瞬、世界が止まった-----

音が無くなって、全ての物が静止した。


その笑顔は、本当に楽しそうに、何の悩みの無い子供みたいに純真無垢な、花が咲いたように明るくて、太陽のように眩しいくらい輝いて見えた。

くらっとした、眩しすぎて。

それでも目が離せなかった。

眩しいのは金髪のせい?


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