With a smile
無理してでも飲んでおけば良かった。

酔っ払っていたらもっと建都さんに近づいて座れたのに、松本さんが高島さんを抱えて帰った様に私も抱えてもらえたかもしれないのに。

今私は建都さんと2人、同じ会社の同僚という距離でタクシーに乗っている。

2人共全く酔ってない。

「なんかあの2人の為の会になっちゃったな」

「楽しかったですよ。上手くいくといいですね」

2人には幸せになって欲しい、私の代わりに。

「松本さんは大事な先輩だからそうなったらいいな」

「私も高島さんにはお世話になってますし」

「優しいね、ほのかちゃん」

そんなこと言わないで、下さい。

そんなに優しく、私の大好きな笑顔で。

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