With a smile
私はてっきりこの近くにあるお店に歩いて行くのだと思っていたが、建都さんは車で現れた。

今日の空みたいに鮮やかな、ぴかぴかのスカイブルーのコンパクトカー。

助手席に乗り込むと新車独特の匂いがした。

「新しいですよね？この車」

「うん。さっき納車されたばっかり。人乗せるの、ほのかちゃんが第一号だね」

ゆっくりと走り出す車、景色が流れるのと同じ速さで、エアコンの風が熱くなった体を冷やしていく。

「いいんですか私なんかで・・・」

「もちろん。誰かに自慢したかったからね」

「いい車ですね。色もきれいだし」

「あー、気持ち良い。色もすごい悩んでさ、やっぱ良かったこれにして」

燃費や装備なんかの話を楽しそうに話す建都さんは、私服のせいかいつもより少し幼く見える。

スーツもかっこいいけど、こっちの方が好きだな。

話の内容は分からない事も多かったが、微笑んだ横顔がやっぱりいいなと思わせた。

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