With a smile
お母さん?
固まっている建都さんの目の先を見る。
大きなガラス越しに、人がいるのが見える。
男の人と女の人が、白いソファーに座って楽しそうに笑っている。
男の人の手が女の人の肩に親しげに置かれ、2人でワインを飲んでいた。
どう見ても恋人同士だが、建都さんがおふくろと言った女の人の隣にいるのは、社長ではない。
不倫?
建都さんは今自分の母親の不倫現場を見ている?
ガラスの向こうの2人は私達には全く気付かず、自然に顔を近づける。
ダメっ。
「行こうっ」
私は建都さんの手を掴んで走り出した。
急に引っ張ってよろけた建都さんの手を、更に強く握って走った。
知らない街の、知らない道。
ただ足だけが意思を持って動き続ける。
長い下り坂が私達の足をより加速させた。
荒い呼吸と心臓のドキドキだけが体に響く。
固まっている建都さんの目の先を見る。
大きなガラス越しに、人がいるのが見える。
男の人と女の人が、白いソファーに座って楽しそうに笑っている。
男の人の手が女の人の肩に親しげに置かれ、2人でワインを飲んでいた。
どう見ても恋人同士だが、建都さんがおふくろと言った女の人の隣にいるのは、社長ではない。
不倫?
建都さんは今自分の母親の不倫現場を見ている?
ガラスの向こうの2人は私達には全く気付かず、自然に顔を近づける。
ダメっ。
「行こうっ」
私は建都さんの手を掴んで走り出した。
急に引っ張ってよろけた建都さんの手を、更に強く握って走った。
知らない街の、知らない道。
ただ足だけが意思を持って動き続ける。
長い下り坂が私達の足をより加速させた。
荒い呼吸と心臓のドキドキだけが体に響く。