ユールクラップの愛
クリスマスまで2日
イブ当日。
私は開店間際のCDショップに向かった。
THE ACEが好きで堪らない友人と今日は遊びに行くから、その待ち合わせ時間に合わせるためだ。
買った初回限定のジャケットには、雪都が比較的アップめに映っている。
それにさえも反応してしまう私は本当に末期だ。
待ち合わせ場所に行く前も、THE ACEの広告が多い。
こうしてずっと、これから先も彼を追い続けていくんだなあと。
そう思いながら待ち合わせの駅に着いた。
「春陽!」
「有希子【ゆきこ】!」
大学の友人。
就職難でなかなかいい企業に就職が決まらなかった。
だからと二人で大学をダブることを決めた。
いわや戦友だ。
「もう。有希子、いつも急なんだから」
「どうせ暇でしょ?春陽は」
「失礼ね!」
サバサバしてて、姉御肌な有希子が私は大好きだ。
ただそんな有希子は、THE ACEのことがデビュー当時から好きだ。
有希子の推しは、Vo.の瑛司らしいけれど。