ユールクラップの愛




“「君が好きだったんだ」
あの頃の僕は
自分でも驚くほど 弱くって
踏み出せなかった”

“夢を追う日々に 疲れ果てたあの日々
癒してくれたのは 君の存在
なのに僕は 何一つ君にしてあげられなかった
ああ僕は 一体何がしたいんだろう”

“あの場所に行くことすらも 君に会うことすらも怖くって
でも手放した愛は 僕にとっては
大きな歪【ひずみ】みたいで
ぽっかりと空いた 喪失感”

“もう一度君に会いたい 願って行ったあの場所
君はもういなくなっていて
遅かったんだと 思い知った”

“そのとき 僕は決めたんだ
手にした栄光 掴んだ未来を
手放すことになろうとも 僕は君に伝えると”

“ああもし もし僕の目の前に現れたなら
その時は手をもう離さない
きっと叶わぬ願いだけど 日々願う
『どうかもう一度 君に会えますように』と”




しっとりとしたバラードだった。
THE ACEのシングルにしては、結構珍しいタイプの物で、皆涙ぐんでいた。

何となく。
何となくだけど、この歌。
少しだけ、引っかかる。
なんでだろう。

そう思いながらも私は彼のトークを聞く。




<実はこの曲のアンサーが次のカップリング、きっと皆が一番聞きたかったであろう彼、ユキの初作詞曲!実はこのタイトルをここで発表したいと思います>




そうだ。
さっき買ってきたシングルの裏を見てみると、1、2番までは書いてた。
でも3番はシークレットで。
ネットでも話題騒然。

1番2番は流れていたけれど、3番のこの曲だけは、流すことなかった。
着うた、着メロともに先行配信は3番だけ行われず、それで火が付いたようにシングルCDが売れに売れているのだ。




< 28 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop