ユールクラップの愛
「お客様お目が高いですね。こちら限定物で、お値段も…」
「…!また高いのに目が付いたね!」
提示されたものは、一般人じゃとてもじゃないけれど手が出せない金額。
『お出ししましょうか?』なんて言われたけれど『大丈夫です』と緩く断って、私はお姉ちゃんの方に行く。
「あたし、これ買おうかな」
そう指したのは、先ほど私がいいんじゃないのかといったアメジストのネックレスだった。
「今年一年のご褒美に」
そう言って早速もう店員さんに言っている彼女の行動の早さには本当に敵わない。
お店の目の前のファッションビルにいるよとお姉ちゃんに一言声をかけ、服を見に行く。
私は気付かなかった。