僕等の初恋
「すいませんでした」
「すいませーん」
僕等はプールサイドに
正座させられていた。
早苗に引っ張られ、
否応なしに亮の花園の淵、
プールサイドへ。
つまり早苗は
僕等みたいな奴の監視員だったわけ。
今考えると
体育委員で、しかも
体育教師の信頼を扇いでいた早苗なら
監視員になっていても
おかしくなかった。
亮は捕まってもなお、
目線は集まってきた女子生徒に向いていた。
「上総までも…。
やっぱ男だったか」
「だからっ、
はめられただけだって!」
「はいはい」
“聞く耳持たず”とは
この事だろう。
またしても、
早苗の目の向けられ方は
変態扱いだった。