僕等の初恋
「あの…山本さん。
先生に言われたプリント、
持ってきました」
この場の空気を知ってか知らずか、
体操服姿の女の子が
水着姿の女の子達の間から
ひょこっと顔を出した。
今時珍しいシャツイン! で、
栗色の肩までの髪の毛、
小さくて、色白で…
可愛い。
「美癒ちゃん、ありがとー♪
もう本当に可愛いんだからぁ~」
何故か近所のおばさん口調の早苗。
でも、俺にはそんな事よりも
“美癒”と呼ばれたその子が
気になって仕方なかった。
「なあ、亮。
この子誰だ?」
「何…、珍しい」
亮は少しの間女子から目を離し、
珍しい僕の言動に
ポカンと口を開けていた。
「いーから言えよっ」