僕等の初恋
亮は眉間にしわを寄せて言った。
「大崎美癒(おおさきみゆ)だっけな。
俺もこの前知ったばっかり」
大崎美癒…。
「ほらそこっ!
美癒ちゃんを変な目で見ないっ!」
今度ばかりは
言い返せなかった。
事実といえば事実だし、
他の女子とは確かに
違う目で見ていた。
「なっ、何“事実です”
みたいな顔してんだよっ!」
「そんな事…」
早苗は気付いたのかな。
少し驚いていた。
大崎美癒。
天使みたいで
今にも崩れ落ちそうな小さい体して、
クリクリの目を僕等に向けている。
守りたくなる、
そんな感じ…。
これが“恋”っていうのかな?
もしそうなら、
君が僕の初恋です。