勘違いをしませう
ああ、私の指に、まとわりつく、それの内蔵物。
先ほどわずかに触れたしこりを探り当てる指が、爪が、すでにざらついたなにかで、脂っぽくなっていた。
そうして、ようやくもやっと、私は先ほどの小さな手応えを、二本の指に挟んで、引き抜いた。
真空へ空気が入り込むような、間の抜けた音が、小さく鳴る。
すでに、もう白いそれの外形は、円や球とは言えないほど、瓦解してしまっている。
内部をいたずらに掻き乱され、内蔵物の一粒を引き抜かれた、あわれな、それ。
柔肌に穿たれた無惨な穴から覗く、恨みがましい粘りけのある黒。
ああ、めちゃくちゃにしてしまった。やってしまった。私はこの無防備なものを、指だけで蹂躙してしまった。ああ、やってしまった。
小さな罪悪感は、言い知れない破壊の後味に、飲み込まれた。
私は、ひとつの物体を、凌辱してやったのだ。
外から中から、それはもう、こね繰り返してやったのだ。
先ほどわずかに触れたしこりを探り当てる指が、爪が、すでにざらついたなにかで、脂っぽくなっていた。
そうして、ようやくもやっと、私は先ほどの小さな手応えを、二本の指に挟んで、引き抜いた。
真空へ空気が入り込むような、間の抜けた音が、小さく鳴る。
すでに、もう白いそれの外形は、円や球とは言えないほど、瓦解してしまっている。
内部をいたずらに掻き乱され、内蔵物の一粒を引き抜かれた、あわれな、それ。
柔肌に穿たれた無惨な穴から覗く、恨みがましい粘りけのある黒。
ああ、めちゃくちゃにしてしまった。やってしまった。私はこの無防備なものを、指だけで蹂躙してしまった。ああ、やってしまった。
小さな罪悪感は、言い知れない破壊の後味に、飲み込まれた。
私は、ひとつの物体を、凌辱してやったのだ。
外から中から、それはもう、こね繰り返してやったのだ。