薔薇の、棘
第一章
恋人関係
…ね。
絋くんは少しでも、遥を愛してくれてた?
遥は貴方が好きでした。
だけど「愛してる」とは言えなかった。
――ごめんね――?
「あー、アイス食いたいし!」
――夏真っ盛りの8月。
街は暑さで人が消えているのはカップルばかり。
その中のカップルにあたしたちもいた。
「さっきコンビニで買って食べたじゃん(笑)」
「あれはソーダ味。今はバニラが食いてぇの!」
矛盾してる絋くんの言い訳を無視して歩き続ける。