薔薇の、棘
――だけど行くところはアイス屋さんでもコンビニでもない。
煉瓦で回りを象った…
“ラブホテル”。
あたしたちは恋人なんだから当たり前でしょ?
だけどそんな当たり前のことにあたしは慣れていないんだ。
「…ついた。
いつも俺んちだったからラブホは久しぶり、だよな?」
「…うんっ!」
嬉しそうに話す絋くん。
あたしもつられて笑顔で返事をする。
着いたラブホテルの中は殆どがピンクでいかにも“淫らな行為をする場所”という感じだった。