Murder a sponsor.

「えっ！北條くん。校内を動き回るんですか……？」


　俺の言葉にうなずく琴音と熊沢に反し、新名だけはうなずかなかった。


「ああ。給食室に行けば食料が手に入るだろうし……。包丁なんかの武器も、ある」

「ほっ、本気でそう言っているんですか？どこにトラップが仕掛けられているのか分からないし、しかも包丁だなんて……！北條くん、人を殺すつもりですか？！」

「しょうがねぇだろ？！俺は殺すつもりは一切無いけど、向こうが殺すつもりで襲って来るかもしれない！……気休めにでも、持っておいた方がいいだろ？」

「僕は嫌ですよ？！ひっ、人殺しの一員になるなんて……！行くなら３人で行ってくださいっ！」


　頑なに俺の案を拒否する新名。

　新名の気持ちも分かる。だからこそ、胸が痛い……。

　俺だって本当はこんなことをしたくない。けど、やらなきゃ……やられる。

　襲われた時、逆に人を殺めてしまったら正当防衛になるはずだから、罪にはならないはずだけど……それでも、胸が苦しい。


「１人でいるつもりなのか？それじゃあ、だれかに襲われた時に危険だ！」

「襲われる？まさか！この学校の生徒はみんな良心があるから、殺し合いみたいなことにはなりません！よって、北條くんや僕が襲われることもありません！」


　……そう、だと、いいんだが。