Murder a sponsor.
「くそっ。俺達だって……こんなこと、望んじゃいねぇよ……!」


 2人の泣き声だけが聴こえる給食室の中で、俺の呟きが妙に大きく聴こえた気がした。

 なんとも息苦しい空気が流れる中、舞さんが静かに口を開く。


「……それで、あなたたちがこのゲームの主催者だっていう説はないの?」

「……え?」


 この2人が……ゲームの主催者?

 舞さんの発言を聞いた男子生徒は、首を左右に振り、すごい勢いでそれを否定する。


「なっ!違う!俺達じゃねぇ!仮に俺達なら、こんなところでしらみ潰しに人を殺っちゃいねぇ!」


 ……まぁ、確かに。

 襲われた際に返り討ちにするのならまだ分かるが、彼らの場合は先に自分から襲い掛かっている。

 美智子さんを守りたいと言っていた彼が、自分から殺し合いに足を突っ込むのは……あまりにも無謀というか、危険というか。ちょっと考えられない、かな。


「そう。その発言が嘘じゃないなら、違うのでしょうね」

「嘘じゃねぇって……!」


 ……舞さん、怒っているのか?

 なんか、さっきと比べて口調がキツいというか、言い方が冷たいような……。


「舞さん。早いとこ、食料を手にしてここを出よう。琴音たちを待たせているし」


 琴音の心境のことを考えると早く戻りたくて、舞さんを急かしてみる。
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