Murder a sponsor.
「でも……」

「おそらく、彼らは主催者なんかじゃない。確かに、彼らは人として許されないことをしたかもしれない。けど、彼がさっき言っていた美智子さんを守りたいっていう言葉、俺は信じる」

「……」

「だが、嘘だったその時は――遠慮はしないからな」


 本当は主催者なのに、俺達を欺けるために吐いた嘘かもしれない。だからその時は、全力でいく。


「ありがとう……ありがとう……」


 吐いた言葉が嘘だったとしても、2人のこの泣いている姿は……嘘だとは思えないから。


「舞さん。いこう」


 彼らはしばらくの間、自分たちの悔いを改めるために泣き続けるため、立ち上がることはないだろう。

 そんな彼らにかけてやる言葉はもう見付からないし、いつまでもここでたむろしているわけにもいかない。

 俺達には琴音たちが待っているんだし、早いとこ、ここから出たい。

 ……本来ならこの2人を連れて行動を共にするべきなのかもしれないが、今は……そっとしておこう。


「ええ」


 舞さんの同意が得られたところで、俺達は食料がないかを漁ってみた。

 しかし、炊飯器や大鍋の中は空っぽで、食べられるようなものは何1つとして置いていなかった。


「嘘だろ……?!」


 空腹のまま、いつ終わるのか分からないこのゲームを続けろっていうのか?!

 これから先のことを考えて絶望していると、舞さんが俺の名前を呼んだ。
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