Murder a sponsor.
「真人くん……!」


 給食室から出るや否や、琴音が心配そうな顔をして近寄ってきた。

 あー……そういえば、さっき部屋の中で大きな声を出したっけ。あれ、やっぱり聴かれていたよな……。


「どうだったんですか?」


 新名に問い掛けられ、俺と舞さんは中で何があったのかを順をおって説明し、置いてある食料についてや、安全な教室を確保しておいた方がいいことも話した。

 すると、熊沢が口を開く。


「それなら、あったわよ」

「えっ?」

「近くの国語準備室。あそこ、確認したけど、安全だった」

「勝手に確認したのか?!」


 誰かが隠れているかもしれないし、トラップが仕掛けられているかもしれないのに、勝手な行動は危険きわまりないというのに。


「うん。白鳥さんに行かせたんだけど、安全だったみたいよ。ね?白鳥さん?」

「う、うん」

「はっ?!」


 熊沢のヤツ、琴音に行かせた、だと……?!


「バカ野郎!何があるのか分からないのに、勝手に行かせるんじゃねぇ!」


 しかも、行かせた相手が琴音……。もしも琴音の身に何かあったら、俺は……。俺は……。


「何よ!そんなに怒らなくてもいいでしょ?!結果的に安全だったんだし!」

「何かあってからだと遅いんだよ!」


 熊沢と言い合いになっていると、新名が間に入って引き止める。
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