Murder a sponsor.
「ひ……きだし……だめ……あけたら……包丁が……飛び出……し………………」

「……美智子さん?」


 途中で美智子さんの声が途切れ、俺は思わず名前を呼びかける。しかし、それの応答はない。


「美智子さん?美智子さん……なぁ!美智子さんっ!返事をしてくれよ!死ぬなよっ!なぁ!おい!」

「真人くん」


 琴音を新名たちに預けた舞さんが、いつの間にか俺の隣に来ていた。


「彼女、死んでいるわ」

「……っ」


 本当は、分かっていた。

 隣の男子生徒が死んでいると少しでも思った時から、もう……美智子さんも助からないであろうことを。

 こんなにも大量の刃物が身体中に刺さっていて、生きていることの方が奇跡に近いんじゃないだろうか。


「なんで……なんでこんなことになっちまったんだ……っ!!!」


 さっきまで生きていた2人が、一瞬で血塗れになって死んでしまったことに対し、俺は嘆く。

 嘆いたって2人は戻って来ないし、どうしようもないのは分かっているけど……こんな理不尽な状況、嘆かずにはいられない。

 ぴくりとも動かず、冷たくなっていく2人に、俺はただただ嘆いたんだ。
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