Murder a sponsor.
「俺がついているから。な?」

「う、うん……」


 琴音の側について守ってやれるのは、俺だけだな。
 そう思い直した刹那、ゲームの主催者が続きを話し出した。


「まぁ、死にたくないなら早くゲーム主催者であるこのボクを殺しなよー?ボクを殺すまで学校から出られないのでそのつもりで♪んじゃ、せいぜいがんばってね~★――ゲーム、開始♪」


 それ以降、ゲームの主催者は何も言ってこなかった。ゲームスタートということだろうか?
 なんにせよ、このふざけたゲームを終わらせるには、ゲームの主催者を殺すしかないってことか?……イかれてやがる。


「これからどうするの……?」


 クラスメートの女子生徒の田中さんが、心配そうに声を出す。


「放送が鳴っていた時、俺達は全員教室の中にいた。つまり、俺達の中にゲームの主催者はいないってことだろ?」


 山神はそれに答えたが、すかさず近くにいた男子生徒の新名 類(にいな るい)が口を挟んだ。


「声は加工されていましたし、もしかしたらテープを流していたのかもしれませんね」

「あ?こいつのリアルタイムの行動を見て、口出してきたんだから、テープでもなんでもなく放送室にいただろ」


 “こいつ”と俺のことを目で指し示したことにイラッとしつつ、俺は何も言わずにずっと琴音の背中をさすっていた。
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