Murder a sponsor.
「でも、この引き出しは大丈夫みたいだから、そこからみんなの分の包丁を取り出してもいいよな?」


 俺が1番最初に開けた引き出しを指差しながら言うと、舞さんはこくんとうなずく。


「そうね。何事もなかったのなら、開けても大丈夫でしょう」

「ああ。……みんな!下手に引き出しを開けない限りは大丈夫だから、入ってきてもいいぞ。あー、でも、念のために、周りには用心しろよな」


 給食室の出入り口で立ったままでいる3人に声をかけると、3人は辺りを見渡しながらゆっくりと部屋に入ってきた。


「……死んだ人達、知り合いだったの?」


 熊沢に尋ねられ、俺はうなずく。


「さっき知り合った奴らだ。……まさか、こんなことになるなんて思いもしなかったけど……な」


 いくら俺達に襲い掛かってきた奴らだとはいえ、自分の犯した行動と向き合い、改めたような様子だったのに……。

 また生存者と出会えたと思って、内心……嬉しかったのに、どうしてこんなことになってしまったのか……。

 そう考えると悲しくて、悔しくて、主催者に対する怒りが増幅していく。同時に、絶対に生き残ると、強く思った。


「そうだったんですか……」


 熊沢はどこか思い詰めたような表情で美智子さんたちを見下ろし、琴音と新名は悲しそうに表情を歪めた。
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