Murder a sponsor.
「山神の言っていたことが事実なら、警察とかに連絡した方がいいんじゃないの……?」


 強気な態度の女子生徒の熊沢 明(くまざわ あかり)が言うと、山神は口を開く。


「さっきの放送、聴いていなかったのか?校外に出られねェっていうことは、校外から校内に入ることも不可能。校外と連絡しようとしたら、死ぬかもしれねェ。死にてェのか?」

「それは……」

「言っておくが、俺が言ったことは嘘じゃねェぜ。本当に宮城の野郎は死んでいた。ゲームの主催者はマジなんだよ」

「……」


 山神の言葉に、誰も口を開こうとしない。みんなは俯き、教室中がどんよりとした雰囲気に包み込まれた。


「……じゃあさ」


 俺は口を開いた。するといっせいにみんなが俺の方を向く。


「じゃあさ、山神。このゲームがマジなら、俺らは校内にいるゲームの主催者を殺さなきゃいけないってことか?……犯罪だぞ?」

「しょうがないんじゃね?とりあえず俺は眠いんで屋上にいるわ」


 山神はひらひらと手を振ると、教室をでていってしまった。

 この状況で眠いと言ってられるって……やっぱり山神はすごいな。サボり魔やら遅刻常習犯と呼ばれるだけはある……のかもしれない。

 まぁ、ただたんに、今のこのことの重大さに気が付いていないだけなのかもしれないけれど。
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