Murder a sponsor.

「なにそれ、どういうこと?」

「いくら不良の山神だって言ったって、人が死んでんのにあんなに冷静でいられるか?しかも、眠たいから屋上に行くって……おかしいだろ。普通」

「それは……そうかもしれないけど……」

「だから確かめてくる」


 心配そうな顔をするみんなの横を通り、廊下へと出た。そして、ゆっくりと血に塗れた方を見る――。


「うぅ……!」


 そこには、山神の言っていた通り、確かに首と胴体が離れた宮城先生がいた。いや、宮城先生が“ある”。

 虚ろな瞳がまっすぐと俺の方を向いたまま、離さない。気分が悪くなって、俺は口を押さえたまましゃがみ込んだ。


「真人くん、だいじょ――きゃっ」


 教室の中から心配そうな顔をした琴音がでてきたので、俺は慌てて琴音の両目を手で塞ぎ、見せないようにした。


「見たらダメだ」

「……本当に……先生、死んじゃっているの……?」


 そう言う琴音の声は震えている。


「ああ……。見たら、ダメだ。琴音には……刺激が強すぎる……」

「うん……わかった。真人くんがそう言うなら、私、見ない」


 琴音を遺体のある方に背を向かせ、俺は1度、深呼吸をした。

 ――まさに、その瞬間だった。
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