Murder a sponsor.

 俺と琴音がさっきまでいた教室が、ものすごい音をたてながら暴風が吹く。視界の隅には、火のようなものが見えた。

 反射的に動いた身体は、琴音をかばうようにして覆いかぶさる。

 耳がキンッとして痛い。

 音も暴風も止み、俺はゆっくりと琴音から離れ、教室の方を向いた。


「……っ!」


 そこに、かつてまでの教室はなかった。天井や壁がパラパラと崩れ落ち、全体が黒ずんでいる。

 火薬のようなにおいと鉄のようなにおいが混ざり合い、吐き気を催した。


「うっ……大丈夫か?琴音……」

「う、うん。真人くん、ありがとう。……ねぇ、今のは……?」

「分からない……けど、これってまさか……!」


 俺は教室の中に入って辺りを見渡した。むわっと火薬のようなにおいが俺の身体を包み込む。


「おい!みんな!熊沢!新名!田中!」


 返事は、ない。

 間違いない。どういう仕組みかは分からないが、これは……これは、教室が爆発したんだ……。
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