Colors of Heart ~7色のハート~
「ヤダって、私の名前なんだから仕方ないじゃない」
「サンゴっていうの!?」
その子は大きな目を更に大きくした。
「上の名前?下の名前?」
「苗字よ」
「下の名前は何て言うの?」
「・・・義男」
あまり自分の名前が好きではない私はか細い声で答えた。
「さんごよしお、じゃあ、よっしーって呼ぶことにするよ」
「よっしー?」
何だかゲームに出てくる緑色の恐竜を思い出させた。
あんまりかわいくないじゃない。
その子の様子を見ると自分のつけたあだ名に満足したのか何度も大きく頷いていた。
仕方ないわね、今回は大人の私が折れよう。
「君の名前は何ていうの?」
「え~、何でよっしーに教えなきゃいけないの?犯罪に繋がるかもしれないじゃん」
「私の顔が犯罪犯しそうだって言うの?失礼しちゃうわ」
「あ」とその子は口元を覆うと、可笑しくなったのかゲラゲラと笑い出した。