Colors of Heart ~7色のハート~
「おおぉぉ」と唸り声をあげ、腹を抱えて丸くなった。
立ち上がり、今度はオウスケを確認する。
相変わらず、1人で何人もの相手を殴りつけていた。
目の端にふらりと佇む影が映る。
がさりと落ち葉が擦れる音に振り返る。
さっきまで仰向けになって倒れていたはずの山吹が立ち上がり、ギラギラした目でオウスケを睨みつけていた。
口元にふっと笑みがこぼれる。
手にはさっきユズキのおさげを切り落とした裁断用の鋏が握られていた。
ヤバイと思った瞬間、山吹は助走をつけて、オウスケに襲いかかった。
何も考えられなかった。
気付いたら体が動いていた。
「裏ァ★×えgjdふいぎおs;」
ワケの解らないことを口走り、山吹は鋏を振りかざした。
「オウスケ、危ない」
俺は思い切りオウスケを突き飛ばした。
グサリ
鋏が突き刺さる嫌な音がした。
目の前にいる山吹の顔がぐにゃりと歪む。