Colors of Heart ~7色のハート~
「キンジ・・・」
青白い顔をしたオウスケが俺を覗き込んだ。
ドクンドクンと鼓動が早くなり、腹の辺りが熱くなってきた。
触れるとぬるりと赤い鮮血が手の平を伝った。
・・・刺されたのは俺か・・・
「キンジ!!」
遠くでユズキの泣き叫ぶ声が聞こえた。
「キンジ、キンジ、嫌あぁぁ!!」
不思議と痛みはなかった。
意識がぼんやりとしてくる。
空を仰いだ。
空からひらりひらりと黄金の葉が落ちてくる。
こんな光景、前にも見たっけな・・・俺を覗き込むオウスケの顔がいつの間にかユズキの泣き顔にかわっていた。
ユズキの温かい手が俺の頬に触れた。
こんな風に好きな人が俺のために泣きながら、看取ってくれるのもなかなかいいなとくだらないことを考えた。
そして、俺はゆっくりと目を閉じた。