Colors of Heart ~7色のハート~
「はぁ?インフルエンザだぁ!?」
玄関前のテラスでいつものように一服しながら、新聞を読んでいると、カフェオレの入ったマグカップを差出し、ため息混じりにサンゴが告げた。
声を荒げてそう訊き返し、読んでいた新聞をテーブルの上に叩き付け、困り顔のサンゴを見上げる。
「一昨日の夜から急に熱が出たでしょ?昨日、病院に連れて行ったら、インフルエンザだって診断されたの。とりあえず、2、3日は絶対安静ね」
「2、3日って、出発明日だぞ?」
「だから無理なのよ。気持ちは解るけど、キャンセルして頂戴」
「What's h●ll are you saying?」
思い切りしかめっ面をし、どけ!と扉の前に立つサンゴを肩を押し退けて、玄関の扉を勢いよく開く。
サンダルを脱ぎ棄て、向かって右側にある「Room1」の部屋のドアを思い切り叩いた。
「おいっ、花(はな)!熱なんて気合いで治せっ!Romiもお前が来るの楽しみにしてるって言ってただろ!パスポートだって、お前、この日ためにわざわざ取って___」