Colors of Heart ~7色のハート~
「……あいつの代わりにサンゴが来れないの?」
「急過ぎるわよ。大体、他のみんなの都合が合わないから、シェアハウスからは虎ちゃんと花が代表してパーティーに参加することになったんじゃない」
___そうだった。
俺がオーナーをするこのシェアハウスで、俺の実兄である白鷹(はくたか)と、俺たちの幼馴染みRomiの手作り結婚式をしたのが約半年前のことだ。
今度は彼らが住む、俺の生まれ育った街でもあるオーストラリアはシドニーで、結婚パーティーを行うとinvitationが届いた。
大学は冬休みに入るが、バイトはある。
しかも、年末年始に向けて、来春からの就職先でもある俺の所属するテレビの制作会社は繁忙期に入るみたいで、人手が足りないとスタッフは常にぼやいていた。
ダメ元で兄が結婚式を挙げるのでと、休暇希望を直属の上司である叔父さんに訊ねたら、「4月からは休みなく働いて貰うからな!どうせ、ちっとも向こうに帰ってないんだろう?学生生活最後の休暇だ。楽しんで来なさい」と冗談を交えつつ、意外にも快く送り出してくれた。