Colors of Heart ~7色のハート~
楽しそうに笑うその子の笑顔をとってもキュートだったけれど、全く、きちんとしているのか失礼なのか、よく解らない子供だ。
水筒の中のお茶を飲んで落ち着いたその子は、ふぅと一息ついた。
「よっしーからも質問していい?」
「何?」
「君、男の娘(おとこのこ)ってやつでしょ?」
にっこりと微笑みながら訊ねると、その子の顔がみるみる青ざめた。
さっきまで元気いっぱいだったのに、急に頭を垂れ、両手を膝小僧の上でぎゅっと握り締めた。
お姫様みたいなフリフリの服を着て、女装を楽しむ男子を「男の娘」というのだとテレビの特集か何かで見たことがあった。
こんなに小さな男の娘を見るのは初めてだったけれど。
「何で解ったの?よっしーがおかまだから?」
「おかまは余計よ。名探偵よっしーの推理を聞きたい?まず第一に、君がき○んしゃトー○スの水筒を持ってること。女の子でも好きな子はいるかもしれないけど、もしお母さんが買うとしたら男の子にでしょ?全体的にブルーだし」
少年は肩から斜めにぶら下がった水筒をじっと見つめた。
「第ニに、君が着ている服よ。この間、初めて会った時も不思議だったの。この子は何でこんなブカブカの服を着てるんだろうって。それで思ったの。きっとお姉ちゃんの服をこっそり着てるんじゃないのかなって」
少年はぽかんと口を開いたまま、私を見つめてた。
その表情が答えを物語っていた。
「第三に、女の子はあんなに大また広げて笑ったりしないの。パンツが見えちゃうでしょ?以上が私が君が男子だと思った理由よ」