Colors of Heart ~7色のハート~
何となく気持ちが沈んでいるので、パーティーを控え、浮かれているだろう2人に、今は会いたくなかった。
きっと全身で幸せオーラを放出してるに違いない。ウザイ。
どうせ嫌でも結婚パーティーの前日はリハーサルディナーに行かないといけないし。
いざ家に帰って来ても、意外とやることがなくて暇だ。父親も母親も共に働いているので、家には誰もいない。俺にとってはそっちの方が都合がいいのだけど。
こっちの友人、何人かに帰って来たと連絡し、今夜、飯でも食って飲もうと誘った。「Okey.」の返事を貰うと、彼らとの約束の時間まで昼寝をすることにした。
何かある度に携帯を覗き込んでみたけれど、日本からの連絡は何もなかった。
結婚パーティー当日の朝は、バスに揺られて、Cityへと出向いた。
真っ青な空が広がっていた。雲1つない快晴。最高気温29度、最低気温17度の予報。絶好の結婚式日和だ。
俺が来る前は連日、雨が降り続いていたらしいので、あの2人は天気の神様まで味方に付けているのに違いない。
南半球に位置するオーストラリアは、日本とは逆の四季になる。12月は日本では冬だけれど、ここシドニーでは夏になる。もちろん、クリスマスも年明けも夏真っ盛りだ。
よく海外のクリスマス特集とかで、サーフィンをしているサンタクロースの映像を見る。
雪が降る日本からしたら、真夏のクリスマスは異様な風景かもしれないけれど、ここに住む人たちは、人々は部屋や庭にオーナメントを飾ったり、暗くなってくるとイルミネーションに灯りをともしたりして、真夏のクリスマスを楽しんでいる。
日本に住み始めて、初めてクリスマスに降る雪を見た時、感動したものだ。やっぱりクリスマスは冬が似合う。