Colors of Heart ~7色のハート~


名探偵よっしーの推理を披露すると、少年は「すごい」と声を漏らし、パチパチと拍手をした。

 
「ここに座ってるとたまに声をかけられるんだけど、赤ちゃん連れたお母さんとかお婆さんとか、みんなボクを女の子だって思ってたよ。よっしーってすごいや」

 
少年は感心した様子で私を眺めていた。

 
「で、どうして君はお姉ちゃんの服を着てるの?女の子になりたいの?」

 
「女の子になりたいわけじゃないよ。ただ、女の子の服が好きなんだ。かわいいから・・・」

 
少年は少し拗ねたように下唇を突き出した。

 
 

かわいいものが好きなんだ。


少年は心の内を私に話してくれた。

 
「小さい頃から不思議だったんだ。お姉ちゃんにはフリフリでヒラヒラのかわいい服が与えられるのに、何でボクは違うんだろうって」

 
お姫様みたいな服を着るお姉ちゃんがずっと羨ましかったのだと少年は言った。


いつだったか、お姉ちゃんが持ってるドレスをどうしても着てみたくて、試着した。


やっぱり、ボクにだって似合ってる。


そう思いながら、鏡の前でポーズしている所をお姉ちゃんに見つかった。


「勝手に着ないでよ、あんたは男の子でしょ!頭おかしいんじゃないの?キモチワルイ!!」

 
すごい剣幕で怒られた。


剥ぐように服を脱がされ、二度と着るなと念を押された。


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