Colors of Heart ~7色のハート~
「あらっ?紅虎じゃない」
顔を上げ、確認すると、目を丸くし、その後で声を上げる。
「こっちへはいつ?」
「Excuse me.」と生徒さんに断わってから、朱羽子さんは俺の前に立った。
「一昨日」
「いつまでいるの?」
「クリスマス休暇が終わるまで?」
「そう」と頷き、ニコリと笑って朱羽子さんは俺を見上げ、クシャクシャと頭を撫でた。
「ちょっとは男らしくなったかしら?」と呟く。
「あまり変わってない」と笑いながら答えた。
「例の物ね____ついて来て」
朱羽子さんは、生徒たちに断わりを入れてから、俺をカフェのバックヤードへと案内してくれた。
「今日は紅虎のお父さんが来るって聞いてたから、あなたが店に来てびっくりしたわ」