Colors of Heart ~7色のハート~
プラスティックみたいな質感の花だった。
ハート型の中心に尾のように突き出た部分がある。
真っ赤な花が、いくつも重なり、円を描いていた。
「メリアブーケっていうの。沢山の花を重ねて1つの大きな花を作るイメージね」
「へぇ、初めて見た」
「Romiの持つブーケだもの。個性的じゃないとね」
再びセロファンを閉じながら、朱羽子さんは笑った。
会場装花を始め、ブーケからブライズメイドが持つブーケまで、Romiの結婚パーティーの花を全て朱羽子さんにオーダーしていたのだ。
「朱羽子さんは何時頃、会場に向かうんだ?」
「Lessonが終わったら、Fredが会場まで送ってくれる予定よ」
朱羽子さんもパーティーの参列者でもあるけれど、準備中のレストランで、会場装花のセッティングがあるのだ。
俺も、ブーケを届けたら、その足で会場に向かう予定なので、何か手伝えることがあれば何でも言ってくれと告げる。
彼女はありがとうとお礼を言って微笑んだ。