Colors of Heart ~7色のハート~
「うん、かわいい!!」
少年は身を乗り出して賛同した。
ポケットの中の携帯が竜ちゃんの到着を知らせる。
「あ~あ、もうお迎えの時間かぁ。よっしーと話してると時間がすぐに経っちゃうんだ」
少年は残念そうに口をすぼめる。
「じゃあ、今度は約束して、一緒に遊ばない?」
そんな表情の少年がかわいくて、提案をしてみた。
「いいの?」と驚いたように少年の目が丸くなる。
「もちろん。だって私たちもう友達でしょ?今度は私の知ってるカフェに案内するわ。かわいいお店だから、きっと君も気に入ってくれるはずよ」
携帯の番号を持っていたメモに書き、ヒマな時に連絡してと少年に渡した。
「サンゴ・・・」
メモを受け取った少年が私の顔を覗き込んだ。
え?と思わず訊き返す。
「磯貝珊瑚(いそがいさんご)、ボクの名前だよ」
珊瑚ちゃん・・・何だ同じ名前だったのね。
ふっと笑みがこぼれてくる。
「珊瑚ちゃんだったのね?・・・そういえば、私の名前を知って、思い切り嫌な顔してなかった?こんな奴と同じ名前だ、最悪とか思ってたんじゃないの?ヒドーイ!」