Colors of Heart ~7色のハート~
告白された時には、私の中に大輔に対する気持ちが大きくなっていたので、すんなりと受け入れた。
大輔はOKの返事に驚いていたみたいだった。
「え、俺が彼氏でマジでいいの?」と何回も確認するように訊ねた。
「奈々がガールズバーで働き出してから、昼夜逆転の生活になっちゃったから、会うのって週末だけじゃん?もっと一緒に居たいなって思って・・・」
照れながら、たどたどしく訊ねる姿に胸がキュンとなった。
出会ってから2年、付き合ってからは2ヵ月とちょっと、同棲するには短い交際期間な気もするけど、大輔がそう言ってくれたことが嬉しくて、頷いた。
虎ちゃんがオーナーの部屋毎にテーマカラーが決まっているおしゃれなシェアハウスを離れるのは辛かったけれど、大輔と始まる未来を見据えた生活に期待もあった。
最初は人と一緒に暮らすなんて私には向かないって思ってたけど、シェアハウスで過ごした時間が私に大切な友達と思い出をくれた。
いつでも遊びに来ていいって行ってくれたし、もし、大輔とこの先何かあったとしたら・・・あんまりマイナス思考なことは考えたくないけれど、心の拠り所がある点で、以前の私より余裕がある。
商店街の中にある焼肉屋のチェーン店で引越し祝いで祝杯を挙げて、帰りがけにスーパーに寄って明日の朝ごはんの食材を見る。
買い物カゴを持って、並んで歩くこの感じ、同棲がリアルに感じられて嬉しくなる。
食材を吟味するのは大輔の分担だ。
私は大輔が見ていない内にさっとチョコレートだのヨーグルトだの自分の食べたい物をカゴに入れる。
私が料理が出来ないことはもうだいぶ前にバレていた。