Colors of Heart ~7色のハート~


今日は久しぶりに竜ちゃんの家にお泊りする日だった。

 
竜ちゃんの好きなものを作ってあげて、一緒に映画を見てと、夜のプランを練りながら、「CHOCCOTO」でお茶をしていた。


花のバイト先のカフェは白塗りの壁にテラス席のある一軒家風の店で、赤と白のギンガムチェックのランチョンマットや出窓に並ぶブリキの缶に入った観葉植物、壁に掛かった手作りパッチワークなどなど、かわいい物が溢れた店内はまるでドールハウスのようだった。


乙女チックなかわいいが溢れる店内は温かみのあるカントリー調の家具で統一されていて、どこか外国の田舎の家に来たようで居心地が良く、気付けば常連客になっていた。


夏休みは帰郷もせずにバイトに明け暮れている竜ちゃんは、休日はイベント警備のバイトを入れていた。


今日は夕方に終わるとのことなので、花の働くカフェで遅めのランチを取り、オーナーであるカヲルさんとカウンター越しに会話を楽しんだ。

 
繁忙時を過ぎた店内はまったりと午後のお茶を楽しむ女性客が多く、花は接客に忙しなく店内を行き来していた。

 
「今日は桃井くんの家にお泊り?楽しんできてね!」

 
そろそろ竜ちゃんのバイトが終わる頃ねと会計を済ませると花に笑顔で見送られた。

 
「夕ごはんは準備してあるから」

 
「いつもありがとう」

 
花は入り口で私に手を振った。


花に見送られ、私は竜ちゃんの家へと向かった。




いつもだったら「CHOCOTTO」か川原のベンチで待ち合わせをして散歩をしながら、竜ちゃんの家を通り過ぎて、スーパーに寄ってその日の夕ごはんの買い物をするんだけど、竜ちゃんは今日は遅れるらしい。


今、出て来たばかりの「CHOCOTTO」に戻るのもなぁと思いつつ、ふと前方を眺める。


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