Colors of Heart ~7色のハート~


「今度は何?」

 
ちょっとイラっとした様子で義男が訊ねる。

 
「実は・・・大輔と付き合って2ヶ月になるのに、まだ無くて・・・」

 
「無いって何が・・・」と言い掛けて、「え!?」と義男は声を上げた。


自分の声にびっくりしたらしく、口元を押える。

 
「何でだと思う?今までだったら、それがきっかけで付き合うことになったり、下手したらそのまま一夜とかで終わっちゃったりだったら、こういうパターンは初めてで・・・」

 
私の体型が悪いとか?筋肉質だからぽっちゃり系が好きとか?


誘ってもはぐらかされるし、ていうか誘っていることに気付いているのかも怪しい。
 
 
「何、言い出すのかと思ちゃったわ、びっくりした。何でそれをゲイの私に相談するのよ」

 
「だって」

 
「・・・って言った所で、他に相談する友達いないんだったわ。ゴメンね」

 
「はっきり言うな、嫌味っぽい。義男じゃなかったら、花に相談しろって言いたいの?」

 
「ちょっと、あの天然記念物もののピュアガールに変なこと吹き込まないで頂戴!私が許さないわよ!」


はいはい、解ったと私が折れる。


花は「虎ちゃんハウス」のシェアメイトの最年少でみんなの妹的存在だ。


特に義男の過保護っぷりは半端ない。


花の兄である葵が留学してから(葵も相当、過保護だった)、ますます「花は私が守ってあげなきゃ!」と責任を感じてるらしい。


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