Colors of Heart ~7色のハート~
義男は頬杖をつきながら、かき氷を食べて、私の話に耳を傾けてた。
話が終わるとふぅと面倒くさそうに息を吐いた。
「全体的にノロケにしか聞えないわ」
「え?ノロケてるつもりないんだけど」
「体の関係がなくても、充分にラブラブじゃない」
え?何でそう思うの?義男の顔を伺うと、
「きっと、鳩羽くん、奈々のことがかわいくてしょうがないのね~」
「だから何でそう思うのよ?」
「だって、鳩羽くんて元同僚だったワケでしょ?奈々の場合、周り女子社員に嫌われても男ウケを狙って、美人な藤代奈々を演じてたんでしょ?いくら腹を割って話せる相手だからって友達と彼氏は違うでしょ?」
友達だった奈々が彼女になったら、子供っぽいところとかべっとり甘えてくるところとか、普段知ってる奈々とは別の顔のギャップを楽しんでるんじゃないの?
すらすらと予測する義男になるほどと納得してしまう。
私も付き合ってから素の自分を出している点では、前と変わってるのかもしれない。
「もし、それ以上の関係に持ち込めないのであれば、鳩羽さん、元彼のこと気にしてるんじゃない?」
元彼。
ぐさりとくる言葉だ。
何を隠そう私の元彼は大輔直属の上司だった。
しかも社内の女子が噂する程のイケメン。