Colors of Heart ~7色のハート~
「一旦、落ち着くのにお香焚いていい?」
「またお香かよ~」と私はソファのヒジ掛けに頭を乗せて、仰向けに倒れこんだ。
何なの?毎回、お香、お香って。
「逃げるの?卑怯者!キスしてくれないなら、別れるからね。明日からシェアハウスに戻ります~」
酔って気持ちが大きくなってるせいもあって、饒舌だ。
「マジ言ってんの?」大輔の口調には焦りが感じられ、焦っている大輔をイジメたくなり、「マジだよ、マジ」と脅す。
「あぁ~」
大輔がいきなり声を上げ、驚いた私は起き上がった。
ソファの上で胡坐をかき、両手で頭を抱えている。
「どうしたの?いきなり」
「いつか言わなきゃいけないって思ってて、つい遠まわしにしてたけど・・・もう限界だ」
何?深刻な顔をして、大輔はじっと私を見つめた。
私の肩にポンと両手を付き、
「実は俺・・・奈々が初めて付き合った女の子なんだ・・・」
「へ?」
視線を下に落とし、顔を真っ赤にしながら、そう言った。
私が初めての彼女?