Colors of Heart ~7色のハート~
「・・・だから解んないんだ。その・・・どのタイミングでキスをしたらいいのかとか・・・押し倒すのとか・・・」
「ということは大輔って童て・・・」
「うるさい」と全部言い切る前に口を塞がれてしまった。
大輔の圧迫感のある手を払って、
「でも、勉強はしてるんでしょ?パソコンにエロ動画ダウンロードしてるじゃん?」
「お前、見たのか!?・・・人のパソコン勝手に漁るなよ」
「何よ、使っていいって言ってたじゃん!つうか、隠してるつもりだったらデスクトップに残して置かないでよ!」
それに関しては言い返せないのか、大輔はゴメンと小さく頷いただけだった。
「飲み会とかでも、恋愛経験豊富みたいに喋ってなかったっけ?あれって全部嘘だったの?」
「だって、バカにされると思って、中高男子校だったし、大学時代はラグビー一色だったから、出会うチャンスなかったし気付いたら女の子と付き合ったことないまま、この歳になってた。今更、友達に聞けないだろ」
どうせ、俺はチキンな童○野郎だよといじける大輔がかわいらしく思えた。
問題は私にあって、大輔がキスすらしてくれないのかと思っていた自分がバカみたいだ。
「嘘つき、意地っ張り・・・ぶっ!・・・アハハハハ」
文句を言おうとして途中で噴出してしまった。
職場での飲み会の時に過去の恋愛を語る大輔(妄想)と思い出すと可笑しくて仕方なかった。
お腹が苦しくなる程笑って、涙目で大輔をちら見すると、私にむっとした視線を送っていた。
「決めた!俺は今日、一皮むける!!」