Colors of Heart ~7色のハート~
そのまま足を絡ませて、ごろりと回転し、体勢を逆転させる。
「ヘタクソ!・・・もういい、私がリードするから」
大輔に被さるようにキスをした。
ブウンと微かな音を発してエアコンのタイマーが切れた。
少し冷えた体に久しぶりに感じる人のぬくもりは心地よかった。
「こんなに素晴らしいものなら、とっとと捨ててしまえばよかった」
大輔は初体験の感想を述べた。
フフと笑いながら抱きつくと、大輔は腕を伸ばし、腕枕をした。
そのまま私を抱きしめると、額に軽めのキスをする。
「今のキスは合格かな?」
そう返すと、ふっと小さく笑った。
「・・・本当は紫村(しむら)さんのこと気にしてるかと思ってた。大輔の上司だし、遠慮があるのかなって・・・」
大輔の匂いと体温に包まれて、そう告げた。
ずっと気になっていた、元彼のこと。
大輔はどう思っているのだろうか?
「別に、先輩のことは気にしてない。奈々の相談もずっと受けてたし、先輩からも色々訊いてたし」
確かに元彼と付き合っていた時は、大輔以外の社員には内緒にしてたし、唯一私たちの関係を知っていた大輔は間で気苦労をしたに違いなかった。