Colors of Heart ~7色のハート~
「紫村さんは奈々のことを好きでも、絶対、最後には自分の利を選ぶって解ってたから、実は彼氏の座を虎視眈々と狙ってたのもある」
「え?嘘?聞いてない」
「言ってないし。結果、奈々は俺の戦術にまんまと嵌ったワケだ」
にっと笑った口元から歯並びのいい白い歯が覗く。
・・・確かに嵌った、今では大輔より自分の方が相手を好きなんじゃないか?と疑う程だ。
「嫌だな。大輔が初体験して、他の女の子とも試したくなったら・・・」
本気で言ってんの?と大輔が笑う。
私を強く抱きしめると、
「俺には奈々だけだよ。やっと手に入れたんだ。離さない」
耳元でそう囁いてくれたことが嬉しすぎて、泣きそうになった。
乙女度MAX!込み上げる幸福感に酔っていると、
「・・・って言ったら、安心する?」とイタズラっぽく付け足した。
「調子に乗るな!元・童○!」
大輔のわき腹を抓り、寝返りを打つと、いててと情けない声が聞こえた。
「大輔」
「大輔ってば!起きて!遅刻するよ!!」
頭上のカーテンを開けると眩しさに目を細めた。