Colors of Heart ~7色のハート~
新宿から特急で小1時間。
真夏のような暑さが続く9月、平日の午前中の電車は比較的空いていた。
横に長く伸びる座席にもっさんと並んで座る。
もっさんは背負っていたリュックをどかりと足元に置いた。
「いや~、久しぶりだな。正月、草ちゃんがこっち(地元)に帰って来た時以来か?」
もっさんはリュックの中からマ○ーを取り出し、紙パックにストローを差して、ごくごく飲み始めた。
「飲むか?」の問いに「ありがとう、大丈夫」と首を振った。
「そうだね、正月以来だね」
お盆の前にもっさんから電話が来た。
お盆はこっちに帰って来ないのか?という内容だった。
丁度、今年の夏はバタバタしてて、とても帰れそうにないと帰省は諦めてたので、そのことをもっさんに詫びた。
残念がるもっさんに、思い切って訊ねてみた。
「9月になれば少し落ち着くかな・・・もっさんが東京に出てきてくれるのなら、会おうか?」
地元から東京まで、約2時間半。
日帰りで来れる距離だし、もし会話が弾むのなら、どこかで夜を明かしてもいい。
「んなら、会いに行くかな。次いでにアキバに行ってけ○おん!の唯ちゃんのフィギア買おう」
人込みが苦手だから東京は怖いと前から公言してた割りにはあっさりと快諾してくれた。