Colors of Heart ~7色のハート~
ちょっと子供っぽいところはあるけれど、芯が通って頼りがいがある。
不器用だけど本当は優しい。
間違ったことは許さない、ヒーロー気質の行動力に、僕は何度も助けられた。
A君はそんな男だ。
何でこんな情けない話をもっさんにしているのだろう?きっと心のどこかで誰かに僕の叫びを伝えたかった。
「彼女に告白したんだ。ちょうど2人きりになる機会があってね。本当はずっと心の内に秘めてるつもりだったんだけど、話の流れでなんとなく」
驚いた彼女の答えはやっぱり僕が思っていた通りのものだった。
「ごめんなさい」
「彼のことを好きな彼女が好きなんだって、君が笑顔ならそれでいいなんてカッコつけたことをつい言っちゃってさ」
笑顔を繕って、その告白はうやむやになった。
彼女のことは諦めないといけない、彼女は友達だと、何度も言い聞かせても、結局、家の中では彼女を捜してしまうし、彼女が好きな人と話している姿を見ると、傷つく。
「行き場のない思いをどうしたらいいのか解らない。自分がこんなに女々しい男だと思わなかった」
初めて好きになった女の子だから?頭ではこの恋には未来がないと解っているのに、僕は思いを断ち切ることがまだ出来ずにいる。
絵に没頭すれば忘れられる?・・・無理だった。
ふとした瞬間に彼女を思っている自分がいた。
ならば、自然を感じてリフレッシュしようと思ったのだ。