Colors of Heart ~7色のハート~
親友でライバルであるもっさんと会えば、きっと刺激もされるだろう。
そう思って、僕は今日、この場所にもっさんを誘ったのだ。
前方にわらわらと人だかりが出来ている。
ひんやりとした木陰を歩いていたのに、山頂につく頃には汗ばんでいた。
Tシャツが背中に張り付いている。
鳥居が見え、歩みを進めると瓦屋根の建物が見えてきた。
建物の前に群がる人々が携帯を片手に写真を撮っている。
せっかくなのでお参りをして、おみくじを引いてみた。
「・・・凶」
落ち込んでいた気持ちに更にに拍車をかけた。
隣でおみくじを開いているもっさんを覗く。
「末吉か・・・」
もっさんもふぅとため息を吐いて口を尖らせた。
「俺らって幸薄いなぁ」
自虐的に笑うと、「ま、これ以上悪くなるこたねぇから、いいや」と早速、おみくじを木の枝に結んでいた。
これ以上悪くなることはないか・・・
「なぁ、蕎麦食って行こうぜ。有名なんだろ?高尾山の蕎麦って」