Colors of Heart ~7色のハート~
橋の真ん中で万歳をするもっさんを写真に収めて、自分もつり橋を渡り、下を流れる渓流や、木々、そこから見える風景を写真に収めた。
「あ~、暫らく山登りはいいや」
無事、高尾山の登山を終え、再び都心へと向かう電車に乗り込んだところで、もっさんが感想を述べた。
「スニーカー履いてくれば、何の問題もなかったのに・・・」
呆れながらそう言うと、もっさんは走り出した電車から高尾山の位置に敬礼し、「なめてました。すんません」と頭を下げた。
「どうするこれから?」
隣のもっさんに訊ねると、「久しぶりだし、草ちゃんと飲みたいな」腕組みをしながら、そう答えた。
「・・・それか、草ちゃんの住むシェアハウスに行ってみてぇな。草ちゃんの好きな子、見てみたい。いる?」
「いると思うけど・・・本気?」
「大丈夫だって、さっき草ちゃんから聞いたことは俺の胸ん中に閉まっておくからさ」
もっさんはドンと自分の胸の辺りと叩いた。
それは心配してないけどさ・・・
「解った。虎・・・オーナーに訊いてみるよ」
確かA君は今頃はバイトに行ってるはずだ。
友達ならいつでもウェルカムだけれど、一応、契約上では親族以外の人を泊めてはいけないことになっている。
きっと、事情を話せば、もっさんと泊めていいと言ってくれるはずだ。
僕はズボンのポケットに入った携帯を取り出した。