Colors of Heart ~7色のハート~
「雷音(ライオン)」と呼ばれるヤンキーのグループがこの学校を牛耳っていて、俺はそのグループのサブリーダーを務めている。
雷音には対抗する他校のグループがある。
同じ学区内にある銀蘭(ぎんらん)高校の「王★KID(オーキッド)=通称・KID」と呼ばれるグループで、ことある事に衝突している。
今日の午前中も街中を歩いていたら、いきなり後ろから殴られ、人気のない裏路地に引きずり込まれた。
KIDのパシリの奴らだった。
頭も悪いし、全員ヘタレだった。
1人で5人を相手に殴り合いのケンカをし、漫画のように奴らをピラミッド型に重ねてやった。
運悪く1発殴られて、口の端を切ったが、まぁ奴らのやられ方を見れば、どちらが強いのかは一目瞭然だろう。
港近くの貸し倉庫が並ぶ一角に出た。
コンテナが等間隔に並び、それぞれに番号が振ってある。
コンテナが並ぶ奥に、倉庫が一列に並んでいた。
「7」と番号のついたコンテナの前にオウスケはいた。
影からその先にある倉庫を見張っていた。
「オウスケ」
俺が声を掛けると緊張した面持ちで倉庫を睨んでいたオウスケの口元が緩んだ。
「キンジ、来たか」
ふっと笑う。